今回は、新潟県燕市吉田地区にのみ伝わる相伝の秘儀をご紹介します。
注意※この秘儀に関しては、吉田地域の外で行うと、意思の疎通が図れない危険性があります。
吉田地域の相伝の秘儀は「裏々」です。
裏々とは、チーム分けを決める時に使用されるものです。
通常、チーム分けを行う際は、ジャンケンに使用する「グー」「チョキ」「パー」のいずれか2種類を使用して、その2種の数が均一になった時に正式なチームメンバーの決定となります(地域によって言葉は異なることが多い)。
しかし、新潟県燕市吉田地区は、チーム分けをする際に、「パー」しか使いません。
いや、正確には、「パー」でもなく、指先が閉じている吉田民が大多数です。
チーム分け「うらうら」の方法は、以下の掛け声から始まります。
「うらうらうらうら うらおもて」
吉田地区に住う相伝の秘儀を継承する年齢は、小学生の時期となりますが、吉田地域にある各小学校、全てでこの掛け声が使用されます(もしかしたら、年代によって異なるかも知れませんが)。
各小学校共通の掛け声とともに、指先を閉じた、まさに手刀のような鋭い手を「手の甲・手のひら」を交互に、かつ高速に繰り返し、「おもて」の掛け声で「手の甲・手のひら」どちらかを「断腸の思いで決断」します。
あまりの緊張や焦りで、「手の甲・手のひら」を選択することができず、縦になってしまう人もたまに見られます。
小学生・中学生と裏々の文化で過ごした吉田民は、高校進学とともに衝撃を受けます。
「こ、こいつら、裏々を知らないだと…?!」
吉田民割合の少ないメンバーだと、周りの環境に合わせて「グーチョキパー」を使用したチーム分けに飲まれることが多いと思われます。
なぜ吉田地域にのみ伝わるのでしょうか?
学校の先生が、吉田の小学校に赴任すると、「うらうらの方法」というマニュアルを使うのか?
それとも、高学年から低学年に継承されているのか?
謎は極まるばかりです。
少なくとも、最初にイノベーションを起こした人は、どのような人なのでしょうか?
気になりますね。
そこら辺は、分かりません。
まだ、吉田地域のちびっこは使っているのかなぁ?
平成1年生まれの僕は当時現役世代でした。